BL出版 美術館展覧会で特別協力 落合社長「神戸の出版文化に貢献」

2024年7月23日

作家33人の絵本原画や資料220点を展示

 

 

 BL出版(兵庫県・落合直也社長)は、7月13日から神戸市立小磯記念美術館(神戸市東灘区)で開催される絵本の原画や資料を展示する「絵本の旅―グリム、世界の昔話、ゆかりの作家と神戸の出版文化」(同館、神戸新聞社主催)において、刊行絵本の原画や資料220点を提供するなど特別協力として参画している。

 

 同館は神戸市出身の洋画家・小磯良平(1903~1988)の作品、約2000点を保存、展示する美術館で絵本原画展は初めて。紹介者を通じてBL出版に打診があり、BL側も快諾。担当の学芸員が昨秋からBL出版に月に数回通い、落合社長や編集長の協力を得ながら55冊を厳選し、作家33人の原画と資料の展示が実現した。


 BL出版の代表作として知られるガブリエル・バンサンの『アンジュール』、「くまのアーネストおじさん」シリーズなど多数の作品原画を展示。会期中のイベントはすでに参加希望者が定員を超えるなど人気を呼んでいる。

 

「絵の力」を体感してほしい

 

 同館学芸員の金井紀子さんは「BL出版が出す絵本は実力ある文学系の原作者と、若手の描き手を組み合わせるなど古さを感じさせず、オリジナリティ豊かな作品ばかり」と同社に通い作品を選んだ感想を述べ、「素敵な絵本は絵に力がある。原画は実際の絵本サイズより大きいのでより絵の力、イメージを体感できる。作品紹介も深掘りし、大人も楽しめる。これまで美術館を訪れたことのない人にも来てほしい」と呼びかけている。

 

 

主催者らと開会式に参加したBL出版・落合社長(右端)


 

 12日の開会式で久元喜造神戸市長は「神戸には個性的な書店も多い。本の文化を豊かにするために市としても美術館や図書館でワークショップ、読み聞かせなどを広げていきたい」とあいさつ。


 BL出版・落合社長は「今年で創業50年、さまざまな絵本を出版してきて作家の思いをひしひしと感じている。この特別展では原画を楽しんで、絵本の世界に浸ってほしい。テーマにもなっている『神戸の出版文化』の一員として今後もこの国際都市・神戸から出版活動に邁進していく」と力を込めた。 【堀雅視】

 



 特別展「絵本の旅―グリム―世界の昔話、ゆかりの作家と神戸の出版文化」
 場所=神戸市立小磯記念美術館(神戸市東灘区向洋町中5丁目7)/電話=078(857)5880/会期=9月23日まで/休館日、入館料など詳細はホームページにて。