関西の書店員、販売会社社員の有志で結成したOsaka Book One Project(OBOP)は、大阪に関係する小説の中から「大阪人に『ほんまに』読んでほしい本」を選ぶ第12回「大阪ほんま本大賞」に寺地はるなさんの『ほたるいしマジカルランド』(ポプラ文庫)を選んだ。
『ほたるいし―』は、大阪北部の蛍石市にある老舗遊園地「ほたるいしマジカルランド」が舞台。名物社長を筆頭に従業員の奮闘ぶりを笑いあり、涙ありで描く物語。現在、大阪在住の著者・寺地さんは1977年佐賀県出身。2014年、『ビオレタ』で第4回ポプラ社小説新人賞を受賞し、翌年デビュー。21年『水を縫う』で第9回河合隼雄物語賞を受賞している。
これ以上ない喜び
寺地さんは今回の受賞について「大阪に移り住んで17年、『ここで生きていくのだ』と決めた地の冠がついた賞をいただいたことに、これ以上ない喜びを感じている」とコメントを寄せている。
7月25日から大阪府下、関西近郊書店約800店で各店による展開がスタートし、10月に発表される特別賞と合わせて3万5千部を目標に取り組んでいく。同賞は第1回から売り上げの一部を活用して、大阪府の児童福祉施設に図書を寄贈しており、これまで約29万冊(920万円相当)を贈っている。