ブリッジ 3つの新サービス開始 コンサル×共同オフィス×共同出張

2024年8月5日

 創業から30年、出版・メディア業界に多様なサービスを展開するリッジがこのほど、出版トータルコンサルティング、コワーキングスペース(大阪)、共同出張代行という3つの新サービスをスタートさせ、各出版社に通知を始めた。関心を持った出版社からさっそく問い合わせがあるなど注目が高まりつつある。 【堀雅視】

 

 

新大阪駅からも近い好立地なコワーキングスペース

 

販促から海外販路まで

 

 30年以上にわたり、出版社を中心に人材を派遣し、また同社が属するトゥーヴァージンズグループには電子化や海外版権ビジネスに注力する出版社も有していることから、これらのノウハウを生かし、本格的なコンサルティング業務に乗り出した。

 

 ブリッジ・阪本直樹取締役CMOによると「これまでも人材派遣の受け入れ企業からさまざまな相談があり、できるかぎり対応してきたが、各社の人材難も厳しさを増し、相談内容も多様化してきた」という。「そこで当グループ力を結集すれば、よりグレードの高いサービスが提供できる。クライアント出版社の課題解決の一助になれば」と狙いを話す。

 

 出版トータルコンサルティングは、新刊・既刊の販売促進から、書店店頭での販促物設置、店頭でのシェア率拡大など多岐にわたり、店頭フェアにおいては企画から店舗交渉、実施まで担う。さらに書籍の編集制作、イベント企画、グッズ制作から販売、電子化、海外ルートの販路拡大の相談も受ける。

 

 阪本氏は「販促にお困りの出版社や、アニメやゲーム会社から書籍化、出版界に参入されるケースなどを対象に考えている。当社のノウハウをすべて提供するのでぜひ相談してほしい」と呼びかける。

 

モチベーション向上に

 

 コワーキングスペース事業では、現在、同社大阪オフィスが入居する新大阪駅近くのオフィスを関西在住の出版社営業担当者に貸し出す。

 

専用デスクも用意


 阪本氏は「東京の出版社が関西で自社のプロパースタッフを配置しているものの自宅をオフィスにされているケースが多い。家と書店の往復、途中カフェで事務作業するだけのルーティンは気が滅入るといった話も聞く」とし、「大阪オフィスは駅前で立地も良く、すでに10社の出版社が利用され、当社スタッフも含めて情報交換ができる」と利点を話す。

 

 鍵付きの専用デスク、複合機、Wi‐Fi、ドリンクなど業務に必要なものは完備されている。阪本氏は「自社でテナントを借りるにはコストオーバーだが、3カ月以上の契約であればリーズナブルなコワーキングスペースとして活用いただけるのでスタッフのモチベーション向上にもつながる」とコスト以上の効果も強調する。

 

ビル内には共有のフリースペースも

 

自社単独出張から大幅経費減

 

 共同出張代行は、東日本と西日本の2パターン。東日本は岩手、宮城、福島の3県を4日間、西日本は岡山、福岡、熊本の3県を5日間かけて主に大型書店に営業訪問する。出版社4社以上(6社まで)の希望時期が合えば成立し、ブリッジの担当者が1日6~8店舗を訪問する。

 

 料金は依頼出版社数によって異なり、出張費用(交通費、宿泊費、レンタカー代など)に受注額の数%が加算されるが、阪本氏は「最小は4社から受けるが、それでも1社当たり10万円に満たない。単独出張ではこうはいかない。出版社同士で声を掛け合ってほしい。現状、要望の多い主要書店が構える県が対象だが、需要が高まればエリアを広げていく」としている。

 

 最後に「出版不況などネガティブな話題が多いが、出版界は横のつながりが強固という長所がある。1社で厳しいならみんなで協力して打開していこうという施策。今後も出版社の困りごとには丁寧に対応していきたい」と語っていた。

 


 

大阪コワーキングスペース
所在地=大阪市淀川区西中島4-2-26天神第一ビル407号室(大阪メトロ御堂筋線・西中島南方駅前/JR新大阪駅徒歩8分)
問い合わせ=ブリッジ本社03(3261)2171
担当=山本、芳澤