中原ブックランド 著者らが選書した「街角鑑賞的偏愛フェア」を実施

2024年9月6日

オーバージャンルの選書でありながら、「偏愛」で統一感を演出するフェア棚

 

 7月17日にリニューアルオープンした中原ブックランド本店(神奈川県・川崎市)は、9月4日から「街角鑑賞的偏愛フェア」を開催している。

 同フェアは給水塔から暗渠、さらには路上に落ちている片手袋に至るまで、マニアックな「偏愛」を持つ著者や編集者らが、自身の著作や編集担当した作品と、おすすめする「偏愛本」3点を紹介する。

 

 選者には、路上園芸鑑賞家で『たのしい路上園芸観察』(グラフィック社)や『はみだす緑 黄昏の路上園芸』(雷鳥社)などの著者・村田あやこ氏や、日本の《異空間》旅行マガジン『ワンダーJAPON』(スタンダーズ)の編集長・関口勇氏など、10名のバラエティーに富んだ選者が名を連ねている。

 

 選者のひとり、『暗渠パラダイス!』(朝日新聞出版)などの著作を持つ、髙山英雄と吉村生によるユニット“暗渠マニアックス”が選書した作品、松岡正剛の『フラジャイル 弱さからの出発』(筑摩書房)の推奨コメントでは、同作が暗渠について一切言及していないことに触れたうえで、「開発の副産物であり、いつなくなるともわからない暗渠こそ、都市における“フラジャイル”である。それを念頭に読めば、暗渠を深く理解する絶好の手引書となる」と寄せるなど、フェア名に相応しい、マニアックな選者による「偏愛」の奥深さを物語る選書になっている。

 

選者は以下(五十音順・敬称略・『』内は著書など)

暗渠マニアックス(髙山英男・吉村生)『暗渠マニアック!増補版』/飯沼義弥『日本のお寺神社 絶壁建築めぐり』/石井公二『片手袋研究入門』/岡元大『まちかどガードパイプ図鑑』/漫画家・かつしかけいた『東東京区区』/102so(じゅうにそう)『旧町名さがしてみました in東京』/関口勇『ワンダーJAPON』/西村依莉『いいビルの世界』/日本給水党党首UC『街角図鑑 街と境界編』/村田あやこ『はみだす緑 黄昏の路上園芸』