日本出版販売の子会社のひらくがプロデュースし、はやし住宅が運営する、まちの本屋とホテル「ねをはす」が11月２日、山口県下関市にグランドオープンする。「ねをはす」は、宿泊施設のほか、宿泊者以外の人も利用できる本屋やカフェ、イベントスペースなどを備えた文化複合施設となる。
まちの本屋とホテル「ねをはす」
施設全体のコンセプトメイキングや、ブックホテル・本屋の企画・プロデュースには、ひらくで入場料のある本屋「文喫」を手掛けたチームが携わっているという。日販とひらくは「これからも『地域に人と文化の交流拠点を創造する』ことを使命に、人と本との新たな接点の創造に取り組む」としている。
施設名称であり、コンセプトでもある「ねをはす」は、「根を張る・根差す」という言葉から名付けている。「下関市に暮らす人々に、本をきっかけに豊かな日常を届けることで、その光景が人々の根源的な部分に浸透してほしい」などとしている。
施設のメインとなる本屋「ねをはす Book&Cafe」では、ひらくのブックディレクターが厳選した約２万冊のバラエティ豊かな本を揃える。１階には所々にゆるやかな曲線を描く本棚が置かれ、天井まで連なる存在感のある本棚には、新刊や話題書、ロングセラーなどをラインナップする。
２階に上がる大階段の両脇には囲むように本棚があり、上った先にある渡り廊下を進むと、洞窟のような佇まいの本棚が現れる。洞窟では、ディレクターが季節ごとにテーマを設定して、思いがけない本との出会いを演出する。宿泊者は夜21時から朝の５時まで（予定）、「夜の本屋」も利用できる。
客室は「スタンダードルーム」や「コンセプトルーム」など、13種類全39室ある。すべての客室内には、ひらくのブックディレクターが部屋ごとのテーマ別に選書した書籍を陳列する。「コンセプトルーム」は、全４部屋すべてに「書屋」をコンセプトにした名称が付けられ、「食」「旅」「動物」「漫画」の４テーマが振り分けられ、一部屋当たり約1000冊の本に囲まれて過ごす。
なお、ホテル施設内の書籍は全て購入できる。