関西の書店員、販売会社社員の有志で結成したOsaka Book One Project(OBOP)は、7月に「第12回大阪ほんま本大賞」として寺地はるなさんの『ほたるいしマジカルランド』(ポプラ文庫)を発表したが、このほど「特別賞」に岸政彦さん、柴崎友香さん共著の『大阪』(河出文庫)を選出した。
10月3日から来年1月末まで大賞、特別賞の両作品3万5000部を目標に大阪府下、関西近郊の書店約800店で店頭展開する。
『大阪』は、大学進学のため大阪に「来た」岸さんと、大阪を「出た」柴崎さんによる1990年代から2010年代の「大阪」という街や人を活写した共著エッセイ。
特別賞受賞について岸さんは「87年に大阪と出会った瞬間、『俺は一生ここに住むんだ』と決め、本籍も移し、家も建て、今日も大阪の場末の路地裏でひっそりと生きている。大阪のおかげ」と感謝を示し、柴崎さんは「大阪で生まれ、大阪の街と人に育ててもらった。どこにいても、自分の街は大阪やなって思う。この賞をいただけて本当にうれしい」と喜びのコメントを寄せている。
この取り組みは、収益の一部を活用して大阪府の児童福祉施設に図書を寄贈することで知られ、これまで約29万冊(920万円相当)を贈っている。
11月17日に大阪・北区のオーバルホールで受賞記念イベントとして両著者による対談が催され、同23日には枚方市の枚方蔦屋書店で、大賞作品『ほたるいしマジカルランド』著者の寺地はるなさんのトーク&サイン会を予定している。