集英社と一ツ橋綜合財団は10月7日、第37回柴田錬三郎賞に『幽玄F』（佐藤究、河出書房新社）を選んだことを発表した。
2023年10月に刊行された『幽玄F』は、少年期から航空機に魅了され、航空宇宙自衛隊入隊後、F-35B戦闘機と、その超音速の世界に取り憑かれた天才パイロットが辿った数奇な運命を描いた長編小説。
佐藤氏は、04年に『サージウスの死神』が第47回群像新人文学賞優秀作でデビュー後、16年に『QJKJQ』で第62回江戸川乱歩賞、18年に『Ank: a mirroring ape』で第20回大藪春彦賞と第39回吉川英治文学新人賞、21年に『テスカトリポカ』で第34回山本周五郎賞と第165回直木三十五賞をそれぞれ受賞している。