出版梓会は11月1日、第40回「梓会出版文化賞」を北海道札幌市の亜璃西社(ありすしゃ)に、「梓会出版文化賞 特別賞」を東京・文京区の東京化学同人にそれぞれ贈ることを発表した。また、第20回「新聞社学芸文化賞」は北海道札幌市の寿郎社(じゅろうしゃ)が、「新聞社学芸文化賞 特別賞」は東京・新宿区の芙蓉書房出版が選ばれた。
新聞社学芸文化賞に寿郎社(札幌市)
梓会出版文化賞は、優れた出版活動を継続して展開している中・小出版社の出版活動そのものを顕彰するという主旨で1984年に創設された。また、第20回を機に「新聞社学芸文化賞」を新たに設けた。今年は全国の660社余りの出版社に応募を呼びかけ、そのうち63社が選考対象となった。
梓会出版文化賞に選ばれた亜璃西社は、北海道・札幌で出版活動を行っている。自然や生活、レジャーをテーマに、図鑑やガイドブック、ノンフィクション、写真集など幅広いジャンルの出版物を刊行。さらに、新聞・雑誌など各種媒体で取材・執筆も担当。今回、特に選考で話題になった『改訂版 さっぽろ野鳥観察手帖』は、道内各都市でも使える都市型図鑑の最新版で、近年札幌でも観察できる「ダイサギ」を増補している。
同特別賞に選ばれた東京化学同人は、主として理・工・情報・農・薬・医・家政学系などの教科書類、専門書、辞典類および雑誌の出版と販売を行っている。世界的に定評のある理工ジャンルの教科書を翻訳するなど、基礎から最新の情報まで取りこむ一貫した活動が高く評価された。
新聞社学芸文化賞は、朝日新聞、共同通信、産経新聞、時事通信、東京新聞、毎日新聞、読売新聞の文化欄・読書欄の担当者の合議によって選考が行われた。刊行物のみならず、時事的・環境的視点も考慮され、受賞社が決定した。