アスコムが6月1日搬入、初版4000部で刊行した『世界一簡単!70歳からのスマホの使いこなし術』が、12月12日現在で30刷24万部に達した。11月29日に発表されたトーハンと日本出版販売の2024年年間ベストセラーでは、発売から6カ月も経過していないにも関わらず、単行本実用部門でそれぞれ2位と4位にランクイン。発売から現在に至るまで、5000部~2万部ロット、週1回のサイクルで増刷を繰り返している。
発売当初、スマホをテーマにした書籍であることから理工・PC書棚で展開する書店が多かったが、健康実用書で展開した書店では初速も好調で、販売冊数においてもその成果が顕著に表れた。レジ前の一等地で、販売冊数をカウントする拡材を付けて展開する紀伊國屋書店梅田本店では、12月12日時点で累計964冊を販売し、年内には1000冊に達する見込みだ。また丸善日本橋店でも累計で591冊を販売し、いずれも話題書、もしくは実用書棚で大きく展開している。
同社営業局販売促進部の池田孝一郎次長は「当社の書籍を購入する層やスマホの使い方を覚えようとするシニア層は、健康実用の棚に向かう傾向があり、その点を意識して展開していただいた書店では結果が出ている」とし、実用書エンド台や新刊・話題書コーナーでの展開を書店に呼びかける。
一方ある書店からNHKテキストとの併売効果が高いという意見もあり、池田次長は「実用というジャンルの括りではなく、購買層を狙ったコーナー展開もぜひ試してほしい」と購入動機に即した商材との併売・展開も推奨する。
帰省シーズンで高まるプレゼント需要
今年6月に発売した同書だが、8月の売上が対前月比で2.1倍に急伸。その背景には帰省時における両親へのプレゼント需要があり、同社は年末年始の長期休暇に向け、さらに店頭での活性化を図る意向だ。
またシニア層に支持された理由として、単なるスマホハウツー本ではなく、“スマホを使えるようになることで読者の人生を幸せにする”をコンセプトに、同社が得意とする実用書としての本づくりを意識したことをあげる。
池田次長は「当社はシニアに徹底的に寄り添った出版社という自負がある。今回まさにその強みが結果に結びついた。24万部に達したが、まだ道半ば。年末での帰省需要を機に、年明け以降もさらに仕掛けていく」と意欲を示す。なお同社は12月23日搬入で、スマホのアカウント管理をテーマにした、同書の第二弾『70歳からのスマホのパスワード記録ノート』を刊行する予定だ。