新たなメディアを短期間・低コストで開設
株式会社コミチが提供する「コミチ+」は、Webマンガ誌を素早く低コストで立ち上げ、短期間で集客できるサービスとして引き合いが多く、2020年のサービス開始以来、すでに出版社など17メディアが導入。さらに今後も毎月のように新メディアがスタートするという。
「コミチ+」はマンガ作品の連載、試し読み、作品販売、待つと無料、単行本紹介などWebマンガ誌の機能をSaaSで提供。独自サイトに比べ大きな投資は不要で、最短2~3カ月で新媒体をスタートさせることができる。
さらに読者アンケートや作品の閲覧状況の分析などの機能を、サイトの改善や作家の育成などに生かすことも可能だ。
これまでに「ビッコミ」(小学館)、「リマコミ+」(集英社)、「チャンピオンクロス」(秋田書店)、「ヤンチャンWeb」(同)、「ヤングアニマルWeb」(白泉社)、「COMICリュエル&COMICジャルダン」(実業之日本社)、「コミックPASH! neo」(主婦と生活社)、「ハヤコミ」(早川書房)、「MAGKAN」(マッグガーデン)、「ライコミ」(マイクロマガジン社)、「COMIC MeDu」(ジーオーティー)、「マンガBANGコミックス」(Amazia)、「booklistaSTUDIOweb」(ブックリスタ)、「コルクスタジオ」(コルク)など17メディアが導入。
さらに、来年9月まで毎月新たなメディアがローンチする予定だ。これに伴って3人でスタートした同社の規模も業務委託を含めて57名に拡大。2023年1月以来、10カ月ごとに事務所を移転したほどだ。
Webマンガ誌の必要性強まる
大手マンガ配信サービスの多くがアプリで提供している中、Webの有用性について同社代表取締役の萬田大作氏は、「SNSによる拡散と誘導のしやすさなど、マンガ雑誌はWebとの親和性が高いのです」と述べる。
また、萬田氏は近年の出版状況からもWebマンガ誌の必要性は高まっていると指摘する。「コンビニへの雑誌配送問題や製作費の高騰など、これまでマンガを支えてきた紙のマンガ雑誌は厳しい環境にあります。作家の発掘・育成、作品の販促などのためWebマンガ誌を展開する必要性は高まっています」。
これまで「コミチ+」を導入したメディアには、既存マンガ雑誌のWeb版はもちろんのこと、新興の電子版出版社やウェブトゥーンスタジオ、さらには早川書房のような一般書出版社まで含まれる。マンガ雑誌を発行していてもまだ本格的なWebマンガ誌を立ち上げていない出版社や、マンガへの参入を考えている出版社や新興企業にとって、「コミチ+」は参入を容易にするツールだといえる。
IP生かしたグッズ販売にも着手
コミチはマンガ作品のIPを活用する事業にも力を入れている。10月には「ヤングアニマルWeb」連載中の「拷問バイトくんの日常」に登場するエプロンを商品化し、原画とともに期間限定受注販売を実施した。
商品開発にあたっては、「コミチ+」の分析機能に加え、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)傘下の株式会社Catalyst・Data・Partnersが提供する「AND ONE」の販売代理店となり、紙版販売データも活用してグッズ販売に向く作品を抽出して出版社に提案する。
「エンタメ『消費』される電子マンガのIPをグッズ化し、作品を『体験』化して電子マンガ誌とのシナジーを生み出します」と萬田氏。今後もいろいろな作品で取り組みを進める予定だ。
そして、同社は事務所を拡大移転しても本のメッカである神保町周辺にこだわり、ユーザー会も出版クラブ会館で開くなど、“泥臭く”出版社と関わっていく考えだ。
株式会社コミチ
設 立:2018年3月16日
所在地:〒101-0054 東京都千代田区神田錦町2-2-1
神田スクエア11階(WeWork神田スクエア)
【問い合わせ先】
メール:info@comici.jp/電話:050-3559-1464
【白泉社「ヤングアニマルWeb」 1年半で130万MAUに Web誌ならではの拡散でヒット生み出す】
【早川書房のコミックサイト「ハヤコミ」 Webコミックを支えるマンガSaaSの存在感】
文化通信社セミナー「出版社のマンガビジネスを支える「コミチ+」―雑誌DXでWebコミック誌を成功させる方法とは」
講師:株式会社コミチ代表取締役・萬田大作氏
日時:2025年2月27日(木)15時~16時30分 オンライン開催