秋田魁新報社はマンガ文化の魅力を地方から発信しようと、横手市増田まんが美術財団と包括連携協定を結んだ。同財団が運営する秋田県横手市の増田まんが美術館は、国内外180人以上の作家のマンガ原画約48万枚を収蔵しており、その規模は国内最大級。連携により、原画の一層の活用と地域活性化に取り組む。
同館で12月18日に行われた調印式では、同社の佐川博之社長と同財団の大石卓代表理事が協定書に署名。大石代表理事は「原画を保存するだけでなく、活用し未来に伝えてこそのアーカイブ。地元に密着した報道機関である秋田魁新報社と連携することによって、さまざまな発信ができると期待している。マンガという媒体を通じて地域を盛り上げていきたい」と語り、佐川社長は「作家が心血を注いだ原画を後世に残そうという思いに共鳴し、一緒に事業展開したいと協定を結んだ。日本が世界に誇るマンガ文化を、地方から国内外へ発信することに意義がある。紙面でもイベントでも多様な形で伝えていく」と述べた。
増田まんが美術館は今年、開館30周年を迎える。記念の特別企画第1弾として「矢口高雄原画展~原画の『魅力』と『価値』を考える~」を1月18日から開催予定。「釣りキチ三平」の作者として知られる故矢口高雄さんは横手市増田町出身で、同館初代名誉館長。