人材派遣のブリッジ 電子書店や電子取次などデジタル分野にも対応

2025年1月23日

メディア業界向け人材派遣のブリッジが新たな領域へ

 

 出版業界をはじめメディア業界への人材派遣、各種業務のアウトソーシングで実績のあるブリッジ(東京・千代田区)が創業30周年を迎えた。書店向け営業代行としてスタートした同社は、1996年を境に出版市場が縮小に転じ、ネット書店の台頭などもあって業界環境が大きな変化を迎えるなか、さまざまなスキルを持ち、出版業界特有の商習慣にも精通した人材の提供を通じて、出版社が抱える課題解決をサポートしてきた。また、その実績への評価が高く、印刷など関連業界からも要請が増えてきたことから事業領域を拡大。さらに同社では、電子書店や電子取次、ウェブトゥーン制作会社、デジタルオンライン配信サービス会社など、出版分野とも隣接するデジタル領域への人材派遣にも新たに挑戦する。


派遣法「3年ルール」への独自の取り組み



 同社最大の強みは、派遣社員と受け入れ企業双方にとって障害となる派遣法の「3年ルール」が生じないこと。派遣法で「派遣労働者は同一事業所や同一部署で3年を超えて勤務できない」と定められていることから、派遣社員は仕事や職場環境に慣れた頃、企業にとっては「十分な戦力となってきた」という時期を迎えると当該者との契約を継続できない。こうしたなか、受け入れ出版社から、「このスキルを持った人を正規に雇用したい」といった声があがっていた。

 

 そこで同社では、スタッフが原則、同社との雇用契約から6カ月を過ぎれば正規雇用とする対応をとった。

 

 これによって有期雇用から無期雇用になるため「3年ルール」に抵触しなくなり、そのデメリットを解消。派遣スタッフを直接雇用したい受け入れ企業から雇用条件を示してもらい、ブリッジから当該スタッフにそれを提示して承諾すると、初年度想定年収に対し35~40%をブリッジに支払うことで企業側が直接雇用できる。企業にとって「職業紹介」は、自社の業務に最適な人材を初期投資のみで獲得できるメリットがある。

 

 ブリッジ側としては、求人募集費用や研修・指導コスト、福利厚生、社会保険、賞与などを負担することになるが、メディア業界に向けた30年に及ぶ実績で多数の応募があり、人材の厳選や派遣前の徹底した研修、アフターフォローなどから業界には欠かせない存在に成長した。

 

出版の関連業界へ事業領域を拡大


 さらに、近年は出版社とつながる印刷会社からの問い合わせが増えている。さまざまな要望も寄せられ、すでに「職業紹介」プランを使って直接雇用につながるケースも出てきた。

 

 「職業紹介」を前提としたかたちで契約から3~4カ月の段階で直接雇用したいという意志を持つ企業に対しては、このテスト期間中は時給単価の低減を提案する。印刷会社にとってはさらなるコスト削減につながる。

 

デジタル分野を視野に、さらなるニーズの多様化に対応

 

 ブリッジのMSPユニット阪本直樹取締役CMOは現況について、「出版関連からのニーズは高く、大手から中堅出版社まで数十社に100人以上のスタッフを派遣し、待っていただいている案件も10件以上抱えている。書店訪問はもちろん、出版社での経理・総務・人事や電子納品、編集アシスタント、広告営業と求められる領域が広がっている。ニーズは多様化しているが、必要とされる人材を送り込むことができていると自負している」という。

 

 さらに今後の展開として、「多くの業界で人材に対する要求は衰え知らず。われわれが実績を積んできた領域の近くにいる電子書店や電子取次のほか、ウェブトゥーン制作会社やデジタルオンライン配信サービス会社など、市場がさらに拡大するだろう。これらデジタル分野の企業群が求める人材を提供する体制を整えている。なかでもシステムエンジニア系の人材確保が課題となりそうだが、的確な情報提供で高いスキルを持つ人材を集め、これまで同様、しっかりと人材を提供してきたい」と締めくくった。

 

左からMSPユニット阪本取締役、岩井美月さん、菅善恵さん、檜山昌子さん


株式会社ブリッジ

本 社:東京都千代田区九段北4-1-3
    飛栄九段北ビル8F
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       天神第一ビル 407号室
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資本金:3000万円
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TEL:03-3261-2171
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