日本の出版文化を東京・神保町から世界に向けて発信していくことを目的に結成された「神保町文化発信会議」は1月22日、東京文化資源会議と共催で、第2回神保町シンポジウム「出版文化の神保町 世界に飛翔するために」を東京・千代田区の出版クラブビルで開催した。前外務大臣で活字文化議員連盟会長の上川陽子氏(衆議院議員)や、前経済産業大臣の齋藤健氏(同)があいさつ。文字・活字文化推進機構の山口寿一理事長(読売新聞グループ本社社長)も登壇した。(シンポジウムの詳細は後日掲載します)
神保町文化発信会議は、活字文化議員連盟、出版文化産業振興財団、東京文化資源会議、本の街・神保町を元気にする会、文字・活字文化推進機構、読売新聞社の6団体で構成している。
昨年6月に第1回シンポジウム「世界の神保町をめざす─知のプラネタリウムの発信」を開催。それを受けて、神保町を拠点に日本の出版文化の振興と普及を目指したさまざまな活動が、各団体によって実施されてきた。今回その成果を報告するとともに、今後の課題や展望を語り合った。
冒頭、上川会長があいさつ。「神保町というこの街全体を、大きなプラットフォームとしてイノベーションするため、『知のプラネタリム構想』を提案した」とした上で、「新しい活字文化の発展に議連としても力を尽くしたい」と語った。
続いて、上智大学の柴野京子教授が東京文化資源会議の神保町プロジェクトについて詳細を説明。構成団体の代表もそれぞれ活動内容を報告した。
出版文化産業振興財団は松木修一専務理事は昨秋の読書推進月間「BOOK MEETS NEXT」の神保町での取り組みについて紹介。本の街・神保町を元気にする会の亀井忠雄会長(三省堂書店会長)は、「この会長職を20年務め、この間さまざまな活動を続けてきた。これからも若い人たちの力を頼りにしながら活動していきたい」と話した。
文字・活字文化推進機構の山口理事長は「機構としてはもちろん、読売新聞社としてもこの神保町のプロジェクトに力を入れている。縁のある日本大学にも協力をお願いして、学生も巻き込んだ形で今後、神保町の文化の魅力発信を推進していきたい」と明かした。
パネルディスカッションも行われ、パネリストは鹿島茂氏(作家、フランス文学者)、林真理子氏(作家、日本大学理事長、日本文芸家協会理事長)、切通理作氏(ネオ書房店主、評論家)と柴野氏の4人が、吉見俊哉氏(東京文化資源会議会長、国学院大学教授)が司会を務めた。
書店振興PT2月に最終版
最後に、齋藤前経産相があいさつ。「今回のシンポジウムでも新たな発見があったし、あらためて課題も明確になった」とし、自身が設置した経産省の書店振興プロジェクトチームについて説明。昨年まとめた「関係者から指摘された書店活性化のための課題(案)」に対するパブリックコメントを踏まえて、「2月上旬には最終版ができあがる。(国民の)皆さんにも見ていただき、それぞれの立場で何ができるかを真剣に考えていこう」と呼びかけた。