世界最大の玩具展開催 71カ国から2362社が出展 大人向け玩具などテーマに

2025年1月30日

 世界最大の玩具展示会「第74回シュピールヴァーレンメッセ」が1月28日から2月1日まで、ドイツのニュールンベルクで開催されている。71カ国から2362社が出展し、玩具、ゲーム、文具、雑貨などの国際的な商談や講演会、アワードの授賞式が行われる。

 

 

 17万5000平方メートルの会場の18のホールに13の製品グループが展示。注目度の高い製品グループ「学用品、文具、手芸工作」はホール2にまとめて展示される。今年から使用されるホール3Cには成長著しい製品グループ「ベビー・幼児用品」や「雑貨、ライフスタイル」が展開。また、製品グループ「鉄道模型とホビー」をホール7に集約し、隣接ホールの「テクニカルトイ、知育玩具、アクショントイ」に接近した。「販売店・メーカー向けサービス」もホール7に展開することで、マーケティングサービス、パッケージング、レジ・商品管理システム、試験機関などと連携する。製品グループ「スポーツ用品、レジャー・アウトドア用品」は拡大しホール7Aに展開する。

 

 今年のテーマとして、購買力のある大人「キダルト」を取り上げる。サーカナ社の調査によると、ヨーロッパの12歳以上を対象とした若者・大人向けの玩具市場の規模は45億ユーロで、ヨーロッパの玩具市場全体の30%に相当する。

 

 「トイズ・フォー・キダルト(Toys for Kidults)」では、「コレクティブル(Collectibles)」、「クリエイティブ・ファンタジー(Creative Fantasy)」、「テーブルトップ・ゲーム(Tabletop Games)」の3カテゴリーに分類し、中央入口付近でゲーム・プロモーターによるライブ・アクティビティを紹介。

 

 また「トイ・トレンド(ToyTrends)」では、世界11カ国で構成するシュピールヴァーレンメッセ・トレンド委員会が選んだこれからのシーズンに向けて注目のテーマとして、アニメやマンガに関する商品やライセンス物を集めた「アニメ&フレンズ」、エクササイズ、マインドフルネス、健康的な食事に焦点を当て関連製品を紹介する「ヘルシー・ヒーローズ」の二つを発信する。

 

 ホール3Aの特別展示エリアは、新製品の「ニュー・プロダクト・ギャラリー(New Product Gallery)」、若い才能が創造するアイデアやイノベーションの「スタートアップ・エリア(StartupArea)」、「トイズ・ゴー・グリーン(Toys go Green)」。

 

 ホール3Cではサステナブルな玩具をフォーカスして情報を提供。ホール7Aに拡大した製品グループ「スポーツ用品、レジャー・アウトドア用品」では500平方メートルのテスティング・エリアを開設。プレイエリアでは、ボールスポーツやその他のレジャーゲームを行うこともできる。

 

 ライドオン、スクーター、自転車については、障害物やさまざまな床面の条件を備えたテストトラックも用意。ハーフパイプの、チリ・プロ・スクーターのスタント・ショーも1日2回開催する。

 

 「トイ・ビジネス・フォーラム(Toy Business Forum)」では、「プレスデー(PressDay)」の一環として「トイピッチ(ToyPitch)」が28日にスタート。ゲストによるライブのポッドキャストも予定。午後は、玩具と小売のトレンド、AI、デジタル化、サステナビリティ、キダルトについての講演が行われる。

 

 西入口のあるNCC WESTのホワイエにある「ライセンス・ラウンジ(LicenseLounge)」は、ライセンシー、ライセンサー、小売業者のライセンスビジネスに関連する話題の窓口となる。世界的なライセンス協会の協力でライセンス・トーク(LicenseTalks)という座談会も開催する。

 

 29日にはトイ・ビジネス・フォーラムで「トイアワード(ToyAward)」の授賞式が行われ、6カテゴリーの受賞各社を発表する。31日は世界のゲーム・コミュニティが一堂に会する「ゲームインベンターズ・コンベンション(International Game Inventors Convention)」を開催。150のテーブルが設置され、19カ国からゲーム作家が集まり、出版社やプレス、コンテンツ・クリエイターに向けてプロトタイプを発表する。

 

 「シュピールヴァーレンメッセを内容的にさらに進化させることが業界全体にとって大きな利益に繋がります。新しく展示ホールを加え、新たな仕組みを構築しました。また、シュピールヴァーレンメッセにご参加のすべての皆様にとって対話の重要性が増す中、魅力的でリラックスした雰囲気の中で行われる数多くのネットワーキング形式を用意しています」とシュピールヴァーレンメッセ社の広報担当取締役クリスティアン・ウルリヒはコメントしている。