朝日新聞社 「法隆寺みらいプロジェクト」始動

2025年2月3日

 朝日新聞社と聖徳宗総本山法隆寺は、1949年の火災で焼損した金堂壁画の一般公開を目指す「法隆寺みらいプロジェクト」を、文化財防火デーの1月26日に立ち上げた。法隆寺境内の防災設備の更新事業にも取り組むとしている。

 

金堂と五重塔(法隆寺提供)


 同社によると、「東アジア仏教美術の至宝」とも称される金堂焼損壁画は、焼損後も法隆寺の一角にある収蔵庫で、炭化した金堂の柱などとともに保管されている。同社は長年、壁画の再現事業をはじめ、その保存活用を有識者らが調査・研究をする「金堂壁画保存活用委員会」の活動を支援。「金堂焼損壁画を、文化財防災の大切さを『みらい』に伝えるモニュメントにしたいと考えている」という。

 

 プロジェクトでは、同社がパートナー企業を募ったり、クラウドファンディングを実施したりして、広く一般にも支援を呼びかける予定。「近年、自然災害の頻発による文化財の被災が相次ぎ、文化財『保護』だけでなく、『防災』の側面からの取り組みも求められている。今後、文化庁とも連携し、シンポジウムや企業フェアを企画するなど、文化財防災への関心をさらに高めてもらう取り組みを展開する」としている。