朝日新聞社は2024年度東京都女性活躍推進大賞の事業者部門で優秀賞を受賞し、1月27日、都庁で贈呈式が行われた。女性の活躍推進について優れた取り組みを行っている企業や団体を東京都が表彰するもので、11回目となる今回は過去最多の73件の応募の中から9団体が受賞した。メディア企業の受賞は初めて。角田克社長は小池百合子都知事から賞状と盾を受け取り、ジェンダー平等の取り組みをさらに前進させることを誓った。
朝日新聞社の受賞理由は、多様性確保を目指した「ジェンダー平等宣言」に続き、「ジェンダー平等宣言+」を策定し、女性のいない会議をつくらない、部門別女性登用数値目標の公開、若手社員育成のためのジョブシャドーイング研修等を実施し、宣言内容の達成度を公表したこと。
また、毎年3月8日の国際女性デーの紙面で、ジェンダーを考える記事と、女性の活躍を応援する広告を同時に多面展開するキャンペーンを実施し、24年の国際女性デーでは創刊以来、初めて新聞題字を「ミモザの花」に特別デザイン。ジェンダーを学ぶ教材として特別編集版を製作し、大学講義等での活用や教育現場に教材として提供したこととされた。
贈呈式には受賞9団体の代表者が出席。小池都知事が「受賞企業は組織内外の取り組みを通じて社会全体の女性活躍を推進している。さまざまな創意工夫やヒントにあふれている受賞内容も広く知らしめていきたい」とあいさつした。続けて、審査委員長の鹿島敬さんが「朝日新聞社が掲げた、女性のいない会議をつくらないという目標は、仕事の健康を進める取り組みだ」と評価した。
受賞後、角田社長は次のように決意を語った。
「日本社会の課題は意思決定層に圧倒的に女性が少ないことで、朝日新聞社も例外ではありません。責任あるメディアとして、この状況を変えようと、私たちは22年に法政大学経営大学院の高田朝子教授をアドバイザーにお招きして、女性リーダー育成について助言をいただいてきました。今回、受賞理由となった『ジェンダー平等宣言+』は高田教授の指導によるものです。私自身も昨年、ジョブシャドーイング研修を担当し、中堅の女性社員の研修生を経営会議や取締役会に参加してもらい、意思決定過程をすべて開示するようにしました。研修生はもちろん、私たちの側にも学びや気づきがありました。周囲にいる男性社員も含め、社員の意識改革は進んできたと思います。男性社員の育休取得も増えてきました。報道と事業、担い手の多様性を確保し、よりよいコンテンツをお届けしていくためにも、今回の受賞を励みとして、取り組みをさらに前へ進めたいと思います」