白泉社 「第17回MOE絵本屋さん大賞2024」贈賞式開催

2025年2月10日

 白泉社は1月30日、「第17回MOE絵本屋さん大賞2024」贈賞式を東京・千代田区の出版クラブホールで開催した。「MOE絵本屋さん大賞」は絵本月刊誌『MOE』が、全国3000人の絵本専門店・書店の児童書売り場担当者にアンケートを実施し、その年のおすすめしたい絵本を決定している。

 

記念撮影に応じる受賞者


 式でははじめに白泉社の高木靖文代表取締役社長があいさつ。受賞作について「大変バラエティに富んでおり、笑ったり、泣きそうになったり、感心したりと心を揺さぶられた」と賛辞を贈った。


 続いて「新人賞」、0・1・2歳向けの絵本に贈られる「ファーストブック賞」、「MOE絵本屋さん大賞」1~10位を表彰。それぞれにクリスタル盾が贈呈され、受賞者が喜びのスピーチをした。また、「MOE絵本屋さん大賞」に寄せられたアンケート回答の中から、素晴らしいコメントをつづった書店員に「ベストレビュアー賞」が贈られた。


 MOE絵本屋さん大賞3位を受賞した『シカしかいない』(白泉社)は、普段行くような映画館や公園や銭湯が隅々までシカで埋め尽くされているというユーモアあふれる絵本。著者のキューライス氏は「“シカがたくさん観に訪れる映画は何だろう?”などと考えながら楽しんで描いた」とコメントした。

 

左から高木靖文代表取締役社長、キューライス氏

 
 2位を受賞した『わすれていいから』(KADOKAWA)は、少年の成長と旅立ちを、生まれた時から一緒である猫目線のモノローグで伝える作品。著者の大森裕子氏は「物理的には会えなくても、いつもそばにいるような存在というのがきっとあると思っている。そんな強い気持ちや、相手の幸せを願う気持ちを表現したくてこの本を作った」と述べた。

 

大森氏


 1位を受賞した『大ピンチずかん2』(小学館)は、日常で陥りやすい大ピンチの理由や対処法をまとめたベストセラー絵本の第二弾。著者の鈴木のりたけ氏は「ピンチの時は人との距離がぐっと縮まって、人間っていいなと思う瞬間でもある。ピンチを正面から見つめ、前に転がしていける推進力に変えられたらそんな幸せなことはないし、生きるのも楽になるんじゃないかという思いで作った」と明かし、受賞の喜びを語った。

 

鈴木氏


 『MOE』2月号(24年12月27日発売)で各賞の詳細が発表されている。受賞作品は次の通り。

 ▽1位=『大ピンチずかん2』(鈴木のりたけ/作、小学館)、▽2位=『わすれていいから』(大森裕子/作、KADOKAWA)、▽3位=『シカしかいない』(キューライス/作、白泉社)、▽4位=『いちごりら』(麻生かづこ/作、かねこまき/絵、ポプラ社)、▽5位=『ちょっぴりながもち するそうです』(ヨシタケシンスケ/作、白泉社)、▽6位=『トドにおとどけ』(大塚健太/作、かのうかりん/絵、パイ インターナショナル)、▽7位=『火の鳥 いのちの物語』(手塚治虫/原作、鈴木まもる/文・絵、金の星社)、▽8位=『おすしが あるひ たびにでた』(田中達也/作、白泉社)、▽9位=『パンダのおさじと ふりかけパンダ』(柴田ケイコ/作、ポプラ社)、▽10位=『そそそそ』(たなかひかる/作、ポプラ社)、▽同=『くまたのびっくりだいさくせん』(柴田ケイコ/作、白泉社)


▽新人賞1位=『ぎょうざが いなくなり さがしています』(玉田美知子/作、講談社)

▽ファーストブック賞1位=『きらきら ぴかぴか どうぶつ だいすき』(瀧靖之/監修、あかいしゆみ/絵、朝日新聞出版)