フライヤー 「読者が選ぶビジネス書グランプリ2025」 総合グランプリは『部下をもったらいちばん最初に読む本』(アチーブメント出版)

2025年2月18日

 本の要約サービス「flier」を運営するフライヤーとグロービス経営大学院は2月13日、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2025」の受賞作品を発表した。152冊のエントリー作品から、総合グランプリには、心理学をベースにした新しいマネジメントの手法をまとめた『部下をもったらいちばん最初に読む本』(アチーブメント出版)が選ばれた。同日に東京・千代田区のメディアドゥ本社セミナールームで開かれた授賞式で、著者の橋本拓也氏にトロフィーが贈られた。

 

各賞を受賞した著者、編集担当の皆さん

 

 同賞は、2023年12月から24年11月に、日本国内で刊行された全6分野の書籍が対象。出版社からのエントリー作品に、フライヤーらが選書した書籍を加えた152冊の中から、読者(ビジネスパーソン)が「有益だった」「実用的だった」と思うビジネス書に投票した。また、10回目を迎えた今回は、23年11月30日までに日本国内で刊行された書籍を対象に、特別賞「10年を彩るビジネス書」も設けた。

 

橋本氏(右)と大賀CEO

 

 授賞式で、投票で選出された全6部門の1位と特別賞2部門に選ばれた著者らを表彰。総合グランプリおよびマネジメント部門賞を受賞した橋本氏は、「この本を読んでほしい人は、初めて部下を持って右も左もわからなかった以前の私をイメージしている。どのようなコミュニケーションをすればいいか、どのように人間関係を構築すればいいか、理論と実体験がバランス良くまとまっている本。ぜひ手に取ってほしい」と呼びかけた。

 

 また、読者からの感想で、「私が読んで非常に良かったので、社内の管理職全員で勉強会をす
るときの教材にしている」といった声が多いと紹介した上で、「この本を事前に読んで社内で話し合えば、共通言語ができたり、課題感を共有することもできる。ぜひ使ってみてほしい」と薦めた。

 

樺沢氏(右)と大賀CEO

 

 特別賞の10年を彩るビジネス書には、18年8月に発売され、75万部を超えるロングセラー『学びを結果に変えるアウトプット大全』(サンクチュアリ出版)が選ばれた。著者・樺沢紫苑氏は「この本をきっかけにアウトプットという言葉が、日本中に広がったことがうれしい」と喜んだ。3月7日には『自分の思いを言葉にする こどもアウトプット図鑑』(同)が発売されることも紹介。「これからは、子どものうちからアウトプットが普通にできるようになることが重要だ」との考えを示した。

 

 最後に、フライヤー代表取締役CEOの大賀康史氏が総括。今回のビジネス書グランプリのキーワードを「自分らしく選び、自分らしく生きる」としたことを発表。総合グランプリの『部下をもったらいちばん最初に読む本』は、「テクノロジーの進化や労働時間の短縮と、ハラスメントリスクの板ばさみにあうマネジャー層が、どう組織を導くのかという課題に正面から向き合った一冊」と紹介した。

 

 また、「今回の受賞作は、キャリアや人生に主体的に、前向きに向き合うものばかりだった。時代をとらえ、素晴らしい本を作られる出版業界の方々に、あらためて感謝している」と強調した。

 

大賀CEO

 

 受賞作品を展開した店頭フェアを2月14日から順次、ジュンク堂書店池袋本店や紀伊國屋書店梅田本店など、全国約1300を超える書店で開催する。

 

 受賞作品は次の通り(著者/出版社)。

 

 ▽総合グランプリ/マネジメント部門賞=『部下をもったらいちばん最初に読む本』(橋本拓也/アチーブメント出版)

 

 ▽イノベーション部門賞=『イシューからはじめよ [改訂版]』(安宅和人/英治出版)

 

 ▽経済・マネー部門賞=『となりの億万長者が17時になったらやっていること』(嶋村吉洋/PHP研究所)

 

 ▽自己啓発部門賞=『あっという間に人は死ぬから』(佐藤舞〈サトマイ〉/KADOKAWA)

 

 ▽リベラルアーツ部門賞=『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(三宅香帆/集英社)

 

 ▽ビジネス実務部門賞=『いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才』(今井孝/すばる舎)

 

<特別賞>

 

 ▽10年を彩るビジネス書=『学びを結果に変えるアウトプット大全』(樺沢紫苑/サンクチュアリ出版)

 

 ▽グロービス経営大学院賞=『チームレジリエンス』(池田めぐみ、安斎勇樹/日本能率協会マネジメントセンター)