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左から上川氏、佐藤氏、山口氏
生成AI時代の子どもの学びに何が必要なのかを議論するシンポジウム「生成AI時代の活字の学びと図書館活用を考える」が2月20日、東京・千代田区の出版クラブビルで開かれた。活字文化議員連盟会長で前外相の上川陽子氏(衆議院議員)と、文字・活字文化推進機構の山口寿一理事長(読売新聞グループ本社社長)らが登壇し、活字文化の力や図書館活用教育の大切さについて語った。(シンポジウムの詳報は後日掲載します)
シンポジウムは、学校図書館整備推進会議図書館改革プロジェクトが主催、活字文化議員連盟、学校図書館議員連盟が後援した。
冒頭、学校図書館議員連盟事務局長の笠浩史氏(衆議院議員)らがあいさつ。シンポジウムには上川会長と山口理事長、東京大学名誉教授で活字の学びを考える懇談会委員の佐藤学氏が登壇。読売新聞東京本社の川嶋三恵子編集局教育部長が司会を務めた。
山口理事長は、生成AIやデジタル教科書をめぐる文部科学省の検討状況について、問題点などを指摘。「急速なデジタル化のあおりで、活字文化の基盤が危うくなっている」とした上で、公共図書館や学校図書館の重要性をあらためて強調した。上川会長も「紙の教科書を基本にデジタルはサブという形でいくべき」との考えを示した。公文書についても紙による保存・管理を訴えた。
最後に、図書館改革プロジェクト委員でYA出版会代表理事の西村安曇氏(西村書店)が「政府に対して、未設置自治体における公共図書館の計画的な設置を推進するよう要請する」などとするアピールを発表し、採択された。