ポプラ社 コラボ小説『遊園地ぐるぐるめ』刊行 著者2人がトークイベント

2025年4月2日

 ポプラ社は3月5日、5年連続で本屋大賞にノミネートされている作家・青山美智子さんと、インスタグラムのフォロワーが390万人を超えるミニチュア写真家・見立て作家の田中達也さんがコラボした小説『遊園地ぐるぐるめ』を刊行した。これを記念した2人によるトークイベントが3月20日、東京・千代田区のオチャノバで開かれ、会場とオンラインでそれぞれ約80人が参加した。

 

コラボ小説が生まれた経緯などについて語る田中さん(右)と青山さん

 

 青山さんは、デビュー作『木曜日にはココアを』(宝島社)で第1回宮崎本大賞受賞。『お探し物は図書室まで』(ポプラ社)、『赤と青とエスキース』(PHP研究所)で2021年、22年の本屋大賞第2位。『お探し物は図書室まで』は、米『TIME』誌が発表する23年の必読書100冊に、唯一の日本人作家の作品として選ばれた。

 

 田中さんは、11年にミニチュアの視点で日常にある物を別の物に見立てたアート「MINIATURE CALENDAR」を開始。以後、毎日作品をネット上で発表し続けている。国内外で開催の展覧会は来場者数が累計270万人を突破している。また、10万部突破の大ヒット絵本『おすしが ふくを かいにきた』(白泉社)は、第11回静岡書店大賞の児童書・新刊部門第1位(大賞)、第4回TSUTAYAえほん大賞第2位を受賞している。

 

 

 

 新刊の『遊園地ぐるぐるめ』は、田中さんの作品を見て青山さんが物語を執筆し、その物語を読んで、田中さんがさらに作品を作成する「コラボ小説」。連作短編小説8話とアート16枚を収録している。

 

デビュー作の装丁が初めての出会い

 

 これまでも青山さんの小説の装丁を手がけてきた田中さんだが、トークイベントでは一緒に仕事をするようになったきっかけや、コラボ小説が生まれた経緯などを話した。もともと田中さんのアート作品のファンだったという青山さんは、「デビュー作の『木曜日にはココアを』で初めて表紙を手がけていただいた。その頃から田中さんは有名で、私はいつか共著を出せるような作家になりたいというのが目標で、よく口に出していた」と振り返った。

 

 その後、ポプラ社から今回の本につながる企画案が出され、2人も喜んで引き受けたという。青山さんは「本当に夢がかなった瞬間に今、皆さんに立ち会っていただいている。これまで出した14冊のうち、この本を含めて8冊で田中さんとご一緒している。次の夢は作家生活10周年とかで、コラボした展示会などができたらいい」と願った。田中さんも「自分のやりたいと思う夢を口に出すことも大事。これからもお互いに高め合えれば」と語った。

 

 「作品を毎日出し続けている田中さんには、一つ一つ着実にと教わった。長く作家を続けていきたいので、持久力をつけたい」と青山さん。田中さんも「持久力は大切。1日1作品が限界だが、持続可能な作品づくりを目指している」と応じた。

 

 最後に、田中さんは「この本には、青山さんが書いたいい話がつまっている。読んだ人は実際に遊園地に行きたくなるほど、おもしろい本になった。ぜひ書店で手にとってみてほしい」と呼びかけた。