文化通信社セミナー2025 コミチ・萬田大作氏 「出版社の漫画ビジネスを支える『コミチ+』 雑誌DXでWebコミック誌を成功させる方法とは」

2025年4月3日

 文化通信社は2月27日、『出版社の漫画ビジネスを支える「コミチ+」-雑誌DXでWebコミック誌を成功させる方法とは」と題したオンラインセミナーを開催。コミチ代表取締役・萬田大作氏を迎え、マンガ出版業界の最新事情と、そのなかで急成長しているコミチの運営のコンセプトや取り組み、ユーザーにもたらすメリットなどについて語った。

 

コミチ代表取締役・萬田大作氏

 

18メディアがコミチのサービス活用

 

 コミチはマンガ投稿・販売プラットフォーム「コミチ」の運営や、マンガSaaS「コミチ+(コミチプラス)」など、デジタルにフォーカスして新しいマンガ体験を提供している。

 

 コミチのサービスを導入しているメディアは18メディアを数える。秋田書店、白泉社、早川書房など約15媒体が共通の基盤で展開しているのがマンガSaaS「コミチ+」。この他に、小学館「ビッコミ」や集英社「リマコミ」などは専用インフラ版という形で展開している。

 

 萬田氏はまず、国内マンガ市場とデジタルコミックの変遷を振り返ったうえで、「2010年代にスマホのサービスが数多く出たが広告コストの高騰を受けて伸び悩み、2020年頃からWeb中心のサービスに回帰しているのでは」との見解を示した。

 

 Webとアプリの違いについては、「アプリはマネタイズに強く、話課金+広告収益が見込めることから書店向き。Webはユーザー獲得に強い、つまり集客の手段がたくさんあるのが特徴で、作品認知や単行本販促が可能であることから雑誌向き」と解説した。

 

 「アナログ全盛時代の小・中学生は、学校や友達の家などでマンガを回し読みしていた。現代においてはSNSでの”同時接続性”がそれに代わる。いかにコンテンツをSNSに載せるかが重要な時代になっている」と強調。この点において、アプリは一度ダウンロードしないと使えないことからSNSとの相性が悪いという部分もあると述べた。

 

Webマンガ雑誌の狙い

 

 Webマンガ雑誌の狙いは「新連載のPRや作品販促(旧作含む)ができる」点にあり、「そこから電子コミック販売に繋げて、紙への波及効果を高めるなど、自力で安価に作品や作家の認知を広げ、売上を最大化するための意味合いをもつ」という考えだ。

 

 「コミチ+」のトップページには特集やランキング表示の機能があり、作品販売や試し読み、単行本紹介も標準の機能で行える。

 

 『コミチ+』はSaaSという形で共通のサービスとして提供していることから、大型予算不要、最速3か月で「Webマンガ雑誌」が構築できる。

 

 そして、単にシステムを提供するだけでなく、運用も代行するのが最大の特徴。しかも「マンガ専業の会社であるため、マンガ愛をもったメンバーが泥臭く運用する」という。

 

 出版社の編集部が行うのは、基本的にマンガ制作と雑誌の統括。それ以外のシステム開発、入稿、デザイン制作、セキュリティ対応、キャンペーンやマーケティング、データ分析などWebメディア運用業務はコミチに丸投げ可能で、出版社はマンガ制作と雑誌統括に専念できるということだ。

 

読者とのコミュニケーションを設計

 

 運用のなかでも「マーケティングと分析が得意技」というコミチでは、「元シャープ公式の中の人”山本”を中心にSNSを使った読者コミュニケーションを丁寧に行っている」と説明。

 

 こうした運用の結果、2023年の本格的参入以来、合計1億PVを超えるトラフィックを達成している。XやTikTokの運用も盛んに行い、2025年にX広告代理店に認定されたばかり。TikTokではマンガ紹介を中心に投稿し、1万フォロワーを突破。ユーザーの反応も良好だ。

 

〈今後のセミナー〉

4月17日(木)15:00〜16:30 大垣書店・髙田恭行氏による「大垣書店(京都)の仕入現場から―これから書店が目指す方向と出版社に期待すること」

申し込みはPeatix:https://peatix.com/event/4314145

 

2025年度年間会員募集中

2025年4月~2026年3月まで年間18回開催のセミナーに、通常料金より大幅に低い料金で参加が可能。その他の特典もあり、

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