
丸善ジュンク堂書店の限定カバー
限定カバー3種を同時実施
語学書出版社のアルクは3月から、2021年に刊行した『英語でちょっといい話ベストセレクション』で丸善ジュンク堂書店、有隣堂の各書店法人限定、また春をイメージした春季限定の計3種のカバーを新たに作成し、語学書の売り伸ばしシーズンにあたる春先に合わせ、同書の販促に注力する。
丸善ジュンク堂書店限定のカバーでは、書店の本棚をイメージしたデザインに、同書店を象徴する“檸檬”と“ふくろう”をあしらう。また有隣堂限定カバーでは、同書店のイメージカラーである緑をメインカラーに配し、落ち着いた雰囲気を演出。また春をイメージしたカバーでは、ピンクをメインカラーにすえる。
同書の限定カバー企画は、今回が初めてではない。22年12月にカルチュア・エクスペリエンスで限定カバー企画を実施したところ、クリスマスのプレゼント需要との相乗効果もあり、好評を博した。もともと発売以降、販売部数も堅調に推移しており、常に同社の売上上位にランキングしていた同書のポテンシャルの高さを再認識した結果となり、今回の3種限定カバー企画につながったという。
企画担当した出版営業部・横山千穂氏は、3種の限定カバーを同時期に実施した背景について「それぞれ時期をずらした方がいいという思いもあったが、春先は語学書が売れる時期。このタイミングで一緒に実施することで、より大きく拡販につなげられる」と話す。

有隣堂限定カバー(左)と春季限定カバー
前年同月比で販売数3倍
丸善ジュンク堂書店では3月上旬から、各店舗で同店限定カバーを展開。一部店舗では春季限定カバーも併売し、3月の売上冊数は前年同月比で約3倍にまで販売冊数を伸ばした。同書はもともと30から40代女性がメインの購買層で、丸善ジュンク堂書店限定カバーを制作するにあたり、男性層にも訴求することも視野に入れていたという。一方、春季限定カバーでは華やかな印象にすることで、若年層など女性層の中でのさらなる拡大を図る。
語学書は学習書という商品の特性上、ターゲットを限定した書籍が大半を占めるなか、同書は51話の短い“ちょっといい話”を収録しており、女性層がメインであるものの、性別、年齢を問わず、幅広い層に訴求できる、普遍的な内容が強みだという。横山氏は「本書は英語表現も難しすぎず、日常的に英語に触れたいというニーズにマッチしている。表紙で本の内容をイメージする人は一定数いるので、それぞれイメージの違う限定カバーにすることで、より広い層に広げていきたい」と話す。