【出版時評】「本を贈る」習慣を根付かせたい

2020年10月26日

 27日から2週間の読書週間が始まる。今年の標語は「ラストページまで駆け抜けて」。本は自分のペースで読み進められるという思いを込めたという。例年各地で本に関するいろいろなイベントが開かれる時期だが、今年は多くが中止を余儀なくされているのだろう。

 

 11月1日を「本の日」に制定して今年で3回目を迎えるが、昨年のような大々的な店頭イベントは難しいということで、当社が企画した「ギフトブック・キャンペーン」をメインイベントとして採用し、2カ月間にわたるキャンペーンが始まる。

 

 年末のギフト需要期に、全国の書店店頭を通して、本を贈り物として提案していく試みだ。これまでも「サンジョルディの日」をはじめとして本をギフトにしてもらおうというキャンペーンはあったが、今回は多くの書店の店頭でアピールしていただく。

 

 米国では近年、クリスマスシーズンが始まる11月第4木曜日(感謝祭)の翌日「ブラックフライデー」の特売に多くの人が押し寄せる光景が見られるが、日本でもこの言葉が散見されるようになっていて、この時期の消費をさらに盛り上げる動きがある。

 

 加熱した消費行動が必ずしも良いことだとは思わないが、本を贈る習慣を定着させる契機になるのであれば是非とも広めて、読書週間のイベントのひとつとして定着することを願いたい。

 

【星野渉】