某月某日
前号「トップインタビュー」で伺った明治大学・齋藤孝教授の話が業界を問わず好評をいただいている。朝方ベッドで新聞紙に埋もれミノムシのように寝ている活字中毒の母も「齋藤さんはあなたが小さい頃からとてもいいことを書いている」と絶賛。ん?先生は僕よりも年下だよと呟くが、いつまでも子ども扱いする"辛口愛読者"の高評価は素直にうれしい。
GWを控えて「こどものための100冊」のカタログ制作が佳境に入っている。大手保育園や学習塾などの協賛・協力で約5万人の子育て世帯への配布は決まっているが、多くの書店が参加し「本で心に豊かな森をつくる」役割を担ってほしいと切に願っている。
某月某日
小社の監査役をお願いしている公認会計士の渡邊芳樹さんと夫婦4人で銀座「青空」で寿司をつまむ。『味の手帖』名店会救済のつもりだったが、コロナ禍にあっても予約が取れない状況で遅い時間に少し影響がある程度と聞く。
芳樹さんとは20年以上の付き合いになるが、そもそもの縁は奥方のマミさんと父親同士が親しかったことにある。その昔、父に誘われ赤坂の河豚屋にいそいそ赴くと父親2人とマミさんと友人がいて、要はさりげない見合いの席であったことなど、この日は難しい話抜きで与太話に終始する。
今や会計士10名、税理士18名を擁す事務所の代表であり、日本公認会計士協会の常務理事も務める渡邊さんは、人柄の好さで上場企業を含め多くのオーナー経営者の相談相手となってきた。結果、特に事業や資産の承継、M&Aで豊富な実績を持つに至っている。
某月某日
先輩世代にはプレイボーイクラブ、我々世代はカプリチョーザやトニーローマ、ハードロックカフェが馴染み深い、WDIグループの清水謙社長の話を聴く。
和洋中など26の業態を手がけリスク分散を図っていると。私も東急時代外食事業を担当していた折にKFC事業が全体の半分以上を占めていたことにリスクを感じ、ベーカリーやカフェなどの複合業態化を進めた。書店業界も茨城・ブックエースのようにシナジーをもたらす教育分野などへの展開は時代の要請なのかもしれない。
「商品の品質」「心温まるサービス」「清潔で衛生的な環境」「快適な雰囲気」「お客様が幸せになる笑顔」。手元メモに残る言葉はすべて書店経営にも当てはまる。