書店でもセルフレジの導入が進んできた。業界でいち早く導入を開始した三洋堂ホールディングスは、今年中に傘下の三洋堂書店全店で導入を完了する予定で、大手取次のトーハンも新たなセルフPOSの提供を開始した。
スーパーなどではお馴染みになってきたセルフレジだが、店によってコードの読み取りから決済まですべて客が行うものや、決済だけをセルフで行うものなど運用の仕方は違う。
くまざわ書店田町店では、店員がセルフレジを利用する客をサポートし、コード読み取りからカバー掛け、袋詰めまで行い、決済だけを客が行うという方法をとっている。接客を大切にするためだそうだ。
それでも、何度か経験して慣れた客なら自分で作業できるようになるため、有人レジに比べると効率は上がるという。しかし、店長が評価しているのは、むしろ接客のあり方が変わったことだという。
レジカウンター越しに作業している店員に声をかけるのは気が引けるが、横に立って目が合っていれば声をかけやすい。むしろセルフの方が店員と客との会話が発生しやすいのだ。
レジでの仕事が単なる処理ではなくなり、お客をサポートするという本来の接客姿勢になるのかもしれない。これは新しい発見だった。
【星野】