DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が、どうにもイメージできなかった。「デジタル変革」と訳され、身近なところではテレワークもその一つというが、従来からあるネット技術が使いやすくなっただけで「変革」と大きく構えなくても、とも感じていた。
先日、あるテレビ番組でDX活用事例として、人とロボットが一緒に働く「分身ロボットカフェ」を紹介していた。ロボットが来店客と会話をしながら注文を受け、ドリンクも運ぶ。これを操作しているのは、障がいによって外出が難しく、働くことをあきらめていた人たちだ。
単にカフェとリモートでつなぐという話ではない。身体が動かなくなっても、スタッフとして人との交流が生まれ、家族や介護者としか接点のなかった人たちの世界が広がる。DXとは未来や可能性を生み出す技術や発想、多様な幸せに寄り添う手段ということなのか。
【櫻井】