【つぶや記】文化通信2021年9月13日付

2021年9月13日

 過日、以前に読んだ本だな、と思った文庫本を店頭で見つけました。著者も書名も以前読んだ文庫本と同じでしたが、出版社が違いました。手に取ってめくっていくと、以前の文庫本にはなかった図版が掲載されているので、新しく出されたものと判断して手に入れました。

 

 あとがきを読んでいくと、なぜ以前読んだと思ったのか理由がわかりました。その文庫本は、最初に並製の単行本で出版され、後に別の出版社から文庫本として出版されました。そこで好評を得たことから新装版文庫本、上製本でも出版。さらに別の出版社から文庫本として出版された後、今回手にした文庫本として、また違う出版社から出版されたのだそうです。

 

 4 社から6 回出版され、その都度内容も増補されていたそうで、その姿勢には敬服の至りです。そしてそれは読者に強く支持された、ということでしょう。そんなコンテントが自分にもあったら……。

 

 【近藤勲】