電子書籍取次大手のメディアドゥはNFTマーケットプレイス「FanTop」をスタートした。デジタル化された「ファン向けの収集品」の収集・鑑賞、共有・譲渡・売買が行えるサービスだ。特徴として、書店で販売される紙の出版物に「NFTデジタル特典」を付与できる。ギフトコードから、デジタルファンアイテムを入手し、保有者情報がブロックチェーン上に書き込まれる。
さらに、二次流通の際、IPホルダー(出版社など)に利益を還元することもできる。ただし、保有者の目線に立つと売買代金の一部を奪われるデメリットがある。
また、有体物と違ってNFTは所有権の客体とならない。所有権とは、物を独占的に支配し、自由に使用・収益・処分する権利を指す。NFTは情報データでしかなく、契約条件によるが、購入者の権利は弱い。NFTは画期的な取り組みではあるが、「所有」と「保有」の違いをよく考えなければならないと思う。
【鷲尾】