今年度の「ボーン・上田記念国際記者賞」受賞者は、アフガニスタン政権の崩壊を取材したTBSの須賀川拓記者だった。昨年9月にYouTubeで公開されたタリバン報道官へのインタビュー動画は128万再生に達している。ネットで話題を呼び、私もウェブで動画を見た。
須賀川記者はタリバンを相手に「女性への迫害はやめるのか」など、切り込んだ質問を行っている。「タリバンの戦闘員が市民や記者の家族に危害を加えている報告がある。会見で恩赦を与えるという説明したのと矛盾していないか」と、相手が不快に感じる質問を物怖じせずに投げかけていた。
そのことを賞賛する声はネットでも大きかったと思う。ネットユーザーは既存のメディアには批判・懐疑的な意見が多い。だが、真に価値ある報道は高く評価される。報道姿勢も素晴らしいが、それ以上に情報を伝える手法も優れていたと感じる。
【鷲尾】