アマゾンのリアル店舗として注目された「アマゾン・ブックス」が閉店するという。当初は全米で400店舗を目指し、日本でも出店するのではないかとみられたが、メディアの取材に対してアマゾンが認めたということのようだ。今週号の本紙「米書鳩信」で大原ケイさんも書いている。
2017年に当社が企画したアメリカ視察ツアーでニューヨークを訪れた際に、直前に開店した店を訪れた。セントラルパークに面した一等地のビルに構えた店舗は、オープン直後とあってか、多くの人でにぎわっていた。
すべての書籍を面陳にして、サイトの評価順に陳列したり、カスタマーレビューを掲示したり、ネット上で刻々変化する価格で販売するなど、同社らしさが随所に見られた。特に子供向けコーナーが充実していることや、年配の来店客に懇切丁寧に説明している姿などから、ネットで接点を持ちにくい子供や高齢者にリーチするのも目的なのかと感じた。
閉店の真意などは不明だが、事実だとすれば、バーチャルで培ったレコメンドや価格政策などが、必ずしもリアル店舗としての競争力にならなかったということだろか。
いずれにしても、やはりアメリカは変化のスピードが速い。物事が変わる時代には絶えずキャッチアップしておきたいが、いつになったら普通に往来できるようになるのか。待ち遠しい。
【星野】