小学館が5月18日に開いたメディア関係者向け新企画発表会に参加した。リアルとバーチャルのハイブリッドで開催したが、会場にも多くの参加者が集まり、ロビーに各企画のブースを出して懇談するなど、久しぶりに対面の雰囲気を味わった。
同社は今年創業100周年を迎えるため、周年記念企画が多く含まれていた。その中、冒頭説明があった『小学館世界J文学館』は、1冊で125冊の児童文学作品を読むことができるという、おそらくこれまでにない全集だった。
冊子はA4判、264ページ。もちろんこの中にすべての作品が入っているわけではない。1作品ごとに見開きで紹介されていて、ページの隅にあるQRコードから電子書籍が読めるという仕組みだ。対象は小学校中学年から中学生以上。学校では「GIGAスクール構想」が加速し、タブレットの導入や電子教科書・教材の利用が進む。さらに公共図書館にも電子書籍サービスが広がっている。ポプラ社も学校向け電子書籍読み放題サービス「Yomokka!(よもっか!)」をスタートした。こうした子どもが学ぶ環境が変わるなか、本の提供の仕方も変えていく必要があるのだろう。
『小学館世界J文学館』は紙の冊子を書店などで販売することで、従来と同様の読者との接点を持つことが特徴だといえる。市場にどう受け入れられるか。
【星野渉】