コントや一昔前のドラマ、漫画によくある設定。道で肩と肩がぶつかって喧嘩が勃発。似た光景を目撃したことがあるが、体験したことはない。
6月中旬、昼下がりの繁華街。幅2㍍は優にある歩道を歩く。流れに乗って左側を進んでいたが、対向車ならぬ「対向人」集団も真正面から向かってくる。このまま進めば確実に衝突。「こんなに広い歩道なのになぜ…」。よく見ると歩道の左側は日陰、しかし、右側は直射日光。そう「日陰の争奪戦」が繰り広げられていたのだ。6月から連日の真夏日。大阪は気温もさることながら多湿によって不快指数が高すぎる。歩行者の謎の動きが解明できた。
衝突しそうになるとボクサー顔負けのフットワークでかわす。歩くスピードが速いと言われる大阪人は、横の動きも俊敏なようだ。気の弱い自分は右側の熱せられたアスファルト上を歩く。6月に日焼けとは。「梅雨はいずこへ」
【堀雅視】