某月某日
食品業界の勉強会で日色保・日本マクドナルド社長兼CEOの話を聞く。1971年7月20日(「ハンバーガーの日」となった)に銀座三越1階に初上陸してから昨年で50年。現在2942店舗、年間に延べ14億人が訪れる巨大チェーンとなった。コロナ下にあって外食全体が大きく落ち込む中、かねてより注力してきたモバイルオーダーなど、DXによる非接触サービスが支持を集め成長を続ける。「不安定な環境でこそブランドへの信頼が大切」と分析。デリバリーサービスでは、今やドミノピザを抜き日本一となった。
一方、労働力人口の急減で、2025年には情報通信・サービス業で482万人、小売業においても188万人規模で人手不足になると。当然賃金も上昇、豪州などではすでに時給3000円だが、早晩日本も⋮。日色社長、「座右の銘はありません。いかに学ぶかより、いかに学びを捨てるかです」。過去の学び=経験を捨ててかからねば生き残れぬ時代なのである。
某月某日
7割以上のシェアを持つ新聞のラジオ・テレビ欄の配信と『TVガイド』で知られる、東京ニュース通信社に奥山卓社長を尋ねる。
同社は1933年、卓社長の祖父・清平氏が創業した。新聞朝刊の見出しと概要を英訳したものを印刷した『奥山サービス』をリヤカーに乗せ、夫婦で大使館や外国企業の支店に届けたという。おそらくどんな値段でも売れたであろう、画期的なサービスで成功を収め、テレビ時代の到来を機に62年、『週刊TVガイド』を発行する。
創刊60周年を記念して発行された復刻版が懐かしい。表紙は高橋圭三、巻頭グラビア「永六輔のとび入り訪問①女性フリー・アナ第一号野際陽子」「"ベン・ケーシー"四つの秘密」「がんばる特別機動査隊」「テレビ・タレントが出題するクロスワードパズル/第一回・池内淳子」、広告には「赤坂・ミカド」、「東芝テレビ流星号」が。
「ナイターない夜ってないかしら?」と題する記事では、「午後五時にベルが鳴る。入浴をすませ、サッパリして浴衣姿で食卓でビールの栓を抜き、午後八時からナイターのダイゴ味を満喫する」当時のサラリーマンの姿が活写されている。ご丁寧に東京西北部五か所の団地に住む主婦102人のアンケートもあり、9割の家庭でナイター中継が観られ、半数近い"アンチ・ナイター派"主婦のうっ憤が募っていると。昭和だなぁ。
【代表取締役・山口健】