稲庭、讃岐、五島、水沢、氷見…こだわり出汁に高級天ぷら付。一杯千円超えの高額うどんはさておき、一般的に「うどん」とは、急ぎの際、駅でサッと食べる、懐が寂しいときの「節約食」、胃もたれ時の「軽食」、病み上がりの「体力補充」的なイメージで大きな間違いはないはず。
そういう類のうどんは店主には恐縮だが、「感動的な美味」より、「財布にやさしく」、「早く」、「あっさり」の三拍子を求める。ある日、時間がなく、道中のうどん店に初入店。メニューを思慮する間もなくきつねうどん(550円)を注文、2 分後にはテーブルに。
さすが!「財布にやさしく」と「早く」は星三つ。肝心の味はというと、「あっさり」を超越した「薄!」。麺も活字では表現しづらい食感。味音痴を自負しているが、さすがに食欲消沈。庶民の味方「うどん」には「感動」より「安定」を。小遣い制で日々ランチ予算に苦慮するサラリーマンは共感してくれる話では。
【堀】