NPO法人本の学校が「ブレストミーティング~本の価値、読者、そして地域とは~」を開催したが、この中で書店創業をテーマにした分科会で、書店を起業した経営者とともに、日本出版販売と経済産業省の担当者も登壇した。
本の学校は1995年の「大山緑陰シンポジウム」でスタート。当初は今井書店の事業だったが、公共的な存在とするため、2012年にNPO法人化。それから10年を経て、改めて方向性を考えるために開いたのが「ブレストミーティング」だ。
書店創業の分科会では、最近増えている個人書店の事例や、取次のサポート、政府の創業支援などが報告された。登壇者だけではなく、参加した取次幹部などからも発言があり、こうした場としては、これまでにない内容だった。
欧米の独立系書店を訪ねて感じるのは、創業者が多いことだ。そういう書店主は環境が厳しくても前向きで、時代に合わせて工夫を凝らしている印象がある。やはり、新規参入者が少ないと、産業は停滞しがちになる。書店再生のためには参入者が必要だ。
コーディネーターを務めたブックスキューブリック代表の大井実氏は、いまも書店を開きたいと訪ねてくる若者が多く、実際に彼のサポートで開業した店をいくつか紹介した。是非ともそういう人々を業界に招き入れ、サポートできる仕組みを作りたいという思いが広がった。
【星野渉】