【行雲流水】「The Bunka News」2023年3月28日付

2023年3月28日

 某月某日

 今年一月の日本経済新聞『私の履歴書』で記憶に新しい、野村ホーディングス・古賀信行特別顧問とオリックス・宮内義彦さんとの対談に同席する。お二人、20年来の親交とあって終始笑いの絶えない愉快なランチタイムとなった。

 ラーメンと餃子が大好物という古賀さん、「安いものが好きなのではなく、好きなものがたまたま安いんです」で爆笑、女性活躍推進について、「私の観察では、うどんにきつねを3枚載せる手際、あるいは空港での入国審査の処理速度を見ると、明らかに女性の方が優秀です」に、再び大笑いする。

 少子化対策、宮内さんの持論は「300・500・1千万円」だが、古賀さんは「3人目のみ1千万円」。宮内さん、「確かにそれでいいなぁ」と宗旨替えした模様。

 御年73歳。『履歴書』最終回にあるとおり、「野村にいた古賀さん」のこれからが楽しみなことである。

 某月某日

 先日、読書機会の創出について相談に伺った山本泰人中央区長の計らいで、同区教育委員会事務局を訪ねる。中央区の人口は23区中下から2番目に少ないが、近年、臨海部のタワマンや五輪選手村の分譲により人口が急増、成人を迎える若者は毎年500人、区立幼稚園、小・中学校に通う子どもの数も着実に増加しているという。

 小社が発行する「こどものための100冊 2023」も間もなく刷り上がる。すでに主要保育園などを通じて、約10万世帯に届けているが、中央区を皮切りにまずは都内の公立幼稚園に通う園児の親にも配布を拡大していきたい。さらに来年は、「先輩の本棚」についても(「成人式」改め)「二十歳のつどい」での配布をお願いしたいと思っている。出版業界各社のさらなるご支援をお願いしたい。

 某月某日

 母の96歳の誕生日に合わせて、岡山から従兄が車でやってくる。10年近く、外食は面倒ゆえ、ちょっと贅沢な弁当をテイクアウトしていて今年は「青山浅田」から。鱒木の芽焼、たらの芽、飯蛸桜煮、独活、筍旨煮、菜の花、こごみやうるい、山独活など旬の惣菜などに、鯛笹寿司と赤飯で祝う。

 翌朝、従兄と散歩がてら「駒場公園」へ。昭和2年に旧侯爵・前田利為が邸宅として建てた洋館と、外国人を接待するための和館をのんびり見学する。かつて乗馬やゴルフを楽しんだという広大な前庭を囲む数十本の桜が図らずも満開、は幸運。春爛漫、花粉も…。

【代表取締役・山口健】