寺社仏閣で祈ることはいつも同じ。手を合わせ、両親、妻娘、兄弟とその子供たちの顔を思い浮かべながら、「御見守りください」とだけ。情けないが、身の丈を越えて人類の幸福までは思い至らない。
先日、上野千鶴子さん著『フェミニズムがひらいた道』(NHK出版)を読了。日々「フェミニズム」の文字は目にするものの、きちっと学んだことはなかった。いくつか女性解放運動の波があり、時にそれに対する揺り戻し・反動を経ながら、世界に広がる近年の大波を迎えている。
「あって当たり前の区別」が「あってはならない差別」として可視化・言語化され、性や立場によって区別されないという、当たり前すぎることが当たり前に通用するような法整備も急いでほしい。差別が根絶されることはまずないのかもしれないが、少なくとも近所の子供たちがこの先感じるかもしれない生きづらさが、少しでも解消される世の中を望みたい。
【櫻井】