動画アプリ「TikTok」で小説を紹介し、若者の反響を呼び注目されるけんごさんのインタビューを、本紙4月4日付に掲載した。けんごさんには2月に開催した連続セミナー「出版プロモーションのすべて」で「良質な本を紹介する場をつくる」と題して登壇もいただいたが、今後は積極的にPR活動にも取り組む考えを示してくれた。
高校までは野球漬けの生活をおくり、本を読むようになったのは大学に入ってからというけんごさん。だからこそ、その言葉が多くの若者に響くのかもしれない。
若者を「Z世代」とひとくくりにしてはいけないとも指摘する。いまの若者はコロナ禍によって、1年違うだけで全く違った体験や価値観を持っているというのだが、確かにどの世代もひとくくりにされて違和感を持ってきたはずだ。
書店については、誰かに話したくなる、自慢したくなる「映えスポット」になれないのかと述べる。店内で写真を撮るのを「デジタル万引き」だと禁止したりしたが、いまは画像や動画で拡散される効果の方が大きいだろう。コミックスにシュリンクパックして立ち読みが消えた過去が思い起こされる。
本や書店を「面白い」「カッコいい」と思えば、自ら手を出し、足を運ぶ。面白い本や書店を作らなければならないのは当然ながら、それを伝える役割も大切だ。
【星野】