某月某日
「味の手帖」巻頭「宮内義彦対談」で21年ぶりに小池百合子さんとランチを一緒する。二人は20年以上続く「読書会」、今は6名のメンバーで定期的に会う間柄。次回当番の小池さんが選んだ課題本は、一月に芥川賞を受賞した井戸川射子氏の『この世の喜びよ』とか。選書のために訪れた池袋のジュンク堂の賑わいに驚いたと。
食の話題では、世界屈指の穀倉地帯、ウクライナで小麦の種付けがままならぬなか、米粉を輸出しパンや麺づくりに活用すればグルテンフリーやアレルギーの市場も見込める。減反政策に毎年使われる3000億円は治山治水などに回したらいいと、その視座は国政にある。都民ファは統一地方選でも躍進した。72歳で任期満了を迎える来年の都知事選に向けて、政界再編に一波乱起きるかも?
某月某日
ようやく落ち着きを取り戻したゴールデンウィーク前半、4年ぶりのソウルへ。着くや否や携帯電話をタクシーに置き忘れ、Googleの携帯電話探索機能(便利です)に救われる、ソコツモノ・・・。
東西に流れる漢江の巨大な中州、汝ヨイド矣島の大型商業施設「ザ・現代ソウル(THE HYUNDAI SEOUL)」は一見の価値あり。「映える」写真が撮れるスポットを至るところに設けている店づくりがイマドキである。2021年2月にオープンして以来、ソウルで最も人気のスポットである理由を体感する。
「LSR X STILL BOOKS」は厳選された(=書棚は小さい)書籍のほか、LPレコードやプレーヤー、スピーカーが整然と並ぶ。本を手に取って閲覧できる長椅子もあって、日常生活のリラクゼーションを提案している。代官山蔦屋書店をコンパクトにしたようなこの店もまた、「映える」スポットらしい。
某月某日
ぎっしり詰め込まれた正方形のフラワーボックスで知られるニコライ・バーグマン氏を取材する。今もクリスマスに人気の、赤いポインセチアを日本にもたらしたのが鉢物の卸業を営むニコライの父親だったという話には驚いた。
東京・青山で小さな花屋を始めるもパッとしない。たまたま舞い込んだ、イベントの土産として600個のフラワーギフトを重ねられるボックスに入れて用意してほしいという依頼が転機となった。結果的に採用されなかったが、その試作品を店頭に並べたところバイヤーの目にとまり、人気に火が付いた。万事「塞翁が馬」である。