紀伊國屋書店とカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)、日本出版販売(日販)が新会社設立に向けて協議を始めるという発表があった。出版社からの直接仕入れによる粗利増などを目指すという。
紀伊國屋書店の売上高は1200億円超、CCCの「TSUTAYA BOOK NETWORK(TBN)」の書籍・雑誌年間販売額は1200億円以上、日販の小売事業は600億円余だが、今回の枠組みの売上高は2000億円ほどだという。
紀伊國屋書店は日本を代表する4年後に創業100年を迎える老舗大手書店。一方のCCCはビデオレンタルからスタートした創業40年企業。直営とフランチャイズ、書籍専業と複合展開など違いがある。日販は両社と取引があり、CCCと合弁で流通会社MPDを設立している。
このところ、大手書店の帳合変更が相次いでいるが、市況の厳しさが出版業界の流通再編をさらに加速させている。仕入れの条件や流通の効率を良くするためには規模(シェア)の拡大が必要である。
かつて、紀伊國屋書店と丸善ジュンク堂書店などを擁す大日本印刷が出版流通イノベーションジャパン(PMIJ)を合弁で設立し、出版社からの買い切り仕入れなどを試行した。今回の新会社がどのような提案をするのか注目される。
【星野渉】