雑誌市場の縮小が止まらない中、販売部数を伸ばし続ける『ハルメク』は、同業ならずとも注目の存在だ。ハルメクグループで長年、広告(マーケティング)を担当してきた株式会社ハルメク・エイジマーケティング営業局メディア営業部・八頭司尚部長が、当社セミナーに登壇した。
『ハルメク』はシニア世代を対象にした直販雑誌。販売部数は2022年下半期ABC報告部数で前年同期比34%増の49万4193部と勢いは止まらない。さらに、雑誌広告市場が縮小する中で、広告収入はこの10年間で2・5倍ほどに拡大したという。
八頭司氏は、同誌名が『いきいき』だった時代から広告営業に携わってきた。かつては多くの雑誌がそうであったように「枠」を売る営業で、市場のトレンド同様に売り上げは落ちていたという。
転換のきっかけを八頭司氏は「枠を売る」営業から、「マーケティングを売る」営業への「マインドチェンジ」だったと説明した。雑誌を発行し、コンテンツを作り、イベントや通販など、やっていること自体は変わらなくても、意識を変えることで「シニア市場ならハルメク」というブランドを築き上げることができたというのだ。
そして八頭司氏は、多くの出版社が同様に読者(顧客)と「マーケティングノウハウ」を持っていると述べ、「出版社の力はまだまだ生かせる」と訴えかけた。
【星野渉】