某月某日
『味の手帖』の巻頭対談でホストをお務めいただいているオリックス・宮内義彦さんとキッコーマン茂木友三郎さんのご両人による、新年号用の対談で「銀座吉兆」へ。2007年から20年の新年号までは、今年6月に亡くなられた牛尾治朗さんと三人、鼎談だった。
冒頭、暫し牛尾さんを懐かしむ。茂木さん、「最後の財界人だったね」。宮内さんからは「牛尾さんは人にものを頼む天才だったなあ」と。小泉内閣の規制改革会議議長就任も牛尾さんの「達ての願い」だったとか。あの人懐っこい笑顔で頼まれれば否とは返せぬ、〝北風〟ならぬ〝太陽の人〟であった。
帰りしな、牛尾さんにあやかって、小紙・新年号の「トップインタビュー」を宮内さんにお願いする。稀代の名経営者であり、規制改革を主導した財界人、そして『先輩の本棚』で毎回選書されている読書人でもある。「人使いが荒いなあ」とニッコリ、ご快諾いただく。
某月某日
第3回「文化通信カップ」を翌日に控え、富士山三島東急ホテルにチェックイン。最上階の露天風呂からは真正面に富士を望む。今年は暖かく、その高嶺に雪は無し。
夕刻、徒歩3分ほどにある居酒屋で毎年恒例の「前夜祭」。静岡の銘酒にウマい魚、とゴルフをしない懇親会専門の星野渉が吹聴したせいか、今年は17名が参加。
まずは、ビールとハイボールの注文に合わせ、沼津港直送の真アジのフライは半身に包丁を入れてもらう。ピクルスの代わりにしば漬けを使ったタルタルがいい。駿河湾から揚がった地魚の造りには、淡麗な焼津「磯自慢」、静岡県産「美味鶏」のつくねと鶏皮には、旨みの強い藤枝の「喜久酔」を。
二次会はホテル横のワイン食堂にて大盛りのハラミステーキをチリの赤ワインで、閉店まで。撃沈。
某月某日
二日酔いで迎えた翌朝。前夜降ったのか、富士山が美しく雪化粧している。雲一つない秋晴れ。
言い訳の出来ないコンディションの富士裾野「ファイブハンドレッドクラブ」は、しかしグリーンが早く、二桁スコアは1/3。「隠しホールHDCP上限なし」では予想外の優勝者が出ることが多く、昨年は光和コンピューター・寺川光男社長が、曰く「全くの想定外」で優勝した。今年はベスグロ(88)の堀内印刷所・堀内隼人副社長が完全優勝。〝アフター〟は東急ホテルから出向した料理長が腕を振るう料理で、和やかに盛り上がる。