若者に本を届ける取り組み
4年目となるギフトブック・キャンペーン冊子『先輩の本棚』2024の見本があがってきた。体裁をB5判中綴じへと、前年版から大きく変更し、東京都立高校の全卒業生や東京都主要区の「二十歳のつどい」(以前の成人の日)での配布などで15万部を若者の手に届ける。
本や新聞に接する機会が減っているとか、書店に行かないといわれる若い世代。しかし、この世代に文字・活字が全く響いていないのかといえば、そうでもない。ネット情報やSNSなどで文字に触れるだけではなく、この世代を引き付けている本もある。
スターツ出版による投稿サイト発の小説は、10代~20代のZ世代に広く受け入れられ、同社業績は伸び続けている。専業作家ではない投稿者から才能のある人材を発掘し、サイト→紙→電子→コミックと循環させて読者を拡大。さらに読者の口コミ動画がTikTokで拡散されてブレイクする。
こうした口コミには「生まれて初めて紙の本を買った」「本屋ってどこにあるの?」という内容が多いという。彼らも魅力を感じれば、行ったことのない書店に足を運び、本を買うのだ。詳しくは来年年始の新年号に掲載する菊地修一社長のインタビューで。『先輩の本棚』も、そうした若者たちが次に本を手に取るきっかけとなってほしい。ご協賛いただいた皆様への感謝と願いを込めて。【星野渉】