【つぶや記】2024年3月12日付

2024年3月12日

 東日本大震災から13年となった。あの時の〝教訓〟は新聞社間の「緊急時の新聞発行に関する相互援助協定」締結や、事業継続計画(BCP)の策定・見直しなどにつながった。その後も大規模な災害が起こるたびに、被災者に情報を届け続ける「紙」の新聞の価値が、クローズアップされる▼13年も経つと、当時の記憶や被災地への関心が薄れるのは、仕方がないかもしれない。東日本大震災を知らない子どもたちは、これからも増える。そんな彼らに、必ず来ると言われている次への〝備え〟をどう伝えていくかは、地元紙をはじめ全国の新聞社にしかできないことだろう▼元日に発生した能登半島地震では、東日本大震災や熊本地震など、過去に震災報道に携わってきた新聞社からのアドバイスが、地元紙の紙面づくりにも役立っているようだ。過去の教訓を生かし、今を報じて、次に備える。やはりこれからも新聞が必要だ。【増田朋】