【行雲流水】2024年3月26日付

2024年3月25日

 某月某日

 

 私が編集・発行している月刊誌『味の手帖』には、茂木友三郎・宮内義彦、両巨頭による巻頭対談とは別に、アート系・遠山正道さん、エンタメ系・渡邊万由美さんによるカジュアルなミニ対談ページがある。4月号より、ジャパンタイムズのオーナー経営者であり広島県神石高原町に日本初の文科省認定の全寮制小学校を開校した理事長でもある末松弥奈子さんに、ホスト陣に加わってもらった。
 その第一号ゲストは、オックスフォード大学のアリソン・ビール日本代表。話を聞いているうちに、縁もゆかりも無い世界一の学び舎の情景が、まざまざと匂いまで感じるではないか。そうか、ひょっとするとオレの前世は…と思ったが、「『ハリー・ポッター』のロケ地でした」と言われ、でしたねーとしみじみ納得したのであった。

 

 某月某日

 

 福井名物として知られるソースカツ丼を生んだ「ヨーロッパ軒」の創業地、早稲田に開業した「奏す庵」が日本橋に移転して2年になるのを機に開催された「ギターとカツが奏でる音楽」に参加する。
 オーナーの森武彦さんはIT業界にも籍があり、当社のホームページや書店応援プレゼント企画のバックシステムをお願いしている。どちらが本業かは不明だが…。
 サクッと軽快に揚がったカツの盛り合わせに合う福井の日本酒ハイボールをやりながら聴く、「酒場のギター弾き」、小野塚テルさんの〝流し〟が見事。酒造各社のCMソングメドレーに始まり、6千曲の持ち歌からリクエストに応えて昭和歌謡を熱唱して回る。各テーブルの、ほぼ昭和世代は拍手喝采。

 

 某月某日

 

 4年目となる、子育て中の著名人や書店員・図書館員が選んだ「こどものための100冊 2024」の制作が佳境を迎えている。
 今年は、児童書出版社以外からの協賛もじわり広がってきた。『先輩の本棚』と同様に、「費用対効果」よりも、本を手にする、活字に親しむ若者を育む試みに賛辞をもらうことは、何よりも嬉しい。
 巻末に並ぶカラー広告は、日本紙パルプ商事を除き業界外からの出稿である。今年は新たに伊藤忠商事と創価学会から広告協賛の申し出を得た。特に創価学会は、小中学校や図書館に対し累計で55万冊以上の書籍を贈呈してきたことに通底する取り組みと、評価してくれた。もとより利益を追求するものではないが、継続は力となる。多くのご支援に、心より感謝。(代表取締役・山口健)