書店を支えるため創業したスタートアップ
トーハンが展開する「MUJIN書店」を開発した株式会社Nebraska(ネブラスカ)は、2人の若者が創業したスタートアップ企業だ。その1人で共同代表の藤本豊氏は、当社のセミナーに登壇し、書店向けのソリューションを提供するために創業したと話した。
藤本氏はアメリカの大学でMBAを取得し、帰国後は企業DXのコンサルティングや開発を手掛けた。もう一人の代表である横山卓哉氏もアメリカの大学を卒業後、企業財務やM&A支援などを行ったという。
それがなぜ書店なのか。藤本氏は、自身が子どものころから本や書店に世話になってきたからだと話した。そんな書店が急激に減る日本の現状を見て、何とかしたいと考えたという。
そのため、「MUJIN書店」は先端技術を駆使したハイスペックなモデルではなく、セルフレジや自動ドア開錠認証の仕組みなど、必要最小限の技術でコストを抑えている。また、現状分析から導入まで3カ月程度、休業は1日ほどと、比較的短期間で既存店舗に組み込むことができる。まずは既存の書店を支えようという発想だろう。
これまで展開した3店は無人で終夜営業することで売上増につながっているという。今のところ夜間の人通りが多い駅前立地だが、いろいろなタイプの書店で試みる価値がありそうだ。【星野渉】