アメリカで増え続ける書店数
アメリカの書店団体AmericanBooksellersAssociation(ABA)が2023年の年次レポートを発表した。会員数が企業数、店舗数とも250以上増えている。組合員数の減少が止まらない日本の書店組合とは対照的だ。
ABAの会員数は企業数で前年比255社増の2433社、店舗数で同251店増の2844店。日本書店商業組合連合会(日書連)の22年度末組合員数は2665。前年度末の組合員数は発表されていないが、店舗数ではすでにABAが上回り、企業数としてみても僅差になった。
アメリカでは従来からの書店も最近創業した書店も、古書店を含めた独立系書店のほとんどがABAに加盟している。かつては大手のチェーン書店やネット書店も加盟していたが、ABAが大手への対抗姿勢を鮮明にしたことで脱退したといわれる。
サイトで公開している年次レポートでは、ABAの事業も紹介されており、その積極的な活動の一端を知ることができて興味深い。
独立系書店が日本では減り、アメリカで増えている理由は、書籍で経営が成り立つ構造になっているか否かの違いだ。それは大手書店や量販店がネット書店との競争でシェアを下げる中、ABA会員が増えてきたことが示している。書店再生の道は見えている、と言っても過言ではないのではないか。【星野渉】