書店支援策の基準
第4回となる活字文化フォーラムを「書店再生に向けた提言―韓国の書店支援から日本の書店政策を考える」をテーマに、齋藤健経済産業大臣、山口寿一文字・活字文化推進機構理事長(読売新聞グループ本社社長)、そして本紙連載中で韓国の出版政策に詳しい白源根氏を招いて開催した。
韓国は政府や自治体による出版、書店への支援策が充実しているが、日本でも齋藤大臣が就任して経産省が動き出すなど、書店支援に向けた取り組みが本格化している。このタイミングに、韓国の事情を共有し、日本でのあり方を考えようと企画した。
齋藤大臣は書店の必要性を強調し、まず課題を明らかにするなどPTの方向性を示した。山口理事長はクレジットカードの手数料引き下げと、地域での書店と図書館との連携が即効策になると提言。
白氏は「日本へのアドバイスは?」との問いに、①環境が変化する中、新しい書店モデルを作ろうとする動きを支援すべき、②魅力的な書店を作ることを支援すべき、③創業志望者など若者を支援すべき―と3つの基準が必要だと指摘。そして、こうした支援は書店のためではなく、書店に魅力を感じて利用する国民のためなのだと強調した。
白氏は韓国の支援策が十分ではないとも話したが、とはいえ書店に対する意識を社会で共有することに貢献しているのであろう。【星野渉】