直取引と取次併用目指すブックセラーズ&カンパニー
ブックセラーズ&カンパニーが書店向けの説明会を開き、契約出版社との実績や、書店が参加する条件などについて発表した。日本では珍しい出版社と書店との直接取引をどのように拡大していこうとしているのか、その具体的な取り組みが見えてきた。
同社は出版社と直接取引の契約を結び、契約出版社の商品について、参加書店の仕入れを代行する。既存の取次のような仕入販売モデルではないので、書店には出版社の出し正味で入荷する。同社が得るのは手数料収入だ。
物流や決済は出資者の一つである日本出版販売(日販)が担当する。送品・返品の物流費用は書店負担となり、日販の収入も手数料だ。
欧米では出版社と書店との直接取引が日本より多いが、ドイツの大手取次リブリ社などは、自ら書籍を仕入れて在庫し書店に販売する一方で、大手書店などが直接仕入れた書籍の在庫保管や配送などを担っている。
大手書店なら仕入れの量も多く、物流や決済を担う本部機能もあるので直接取引が可能だが、中小書店にとっては大きな負担になる。欧米でも直接取引と取次流通が併存するのが一般的だ。
ブックセラーズ&カンパニーは、2026年に直接取引の割合を60%にして、取次経由も含めた参加書店の粗利30%を目指す。書籍で出版流通を支える多くの国では標準的なモデルだ。【星野渉】