課題〝丸投げ〟でパブコメ?
経済産業省は書店振興プロジェクトチームがまとめた「関係者から指摘された書店活性化のための課題(案)」を公表し、パブリックコメントを開始した。示された課題は29項目。「課題を前広に整理した」とあるように、書店などからのヒアリングで集めた内容を並べた感じだ。
課題それぞれに解説を付してはいるが、この段階では詳細な分析や方向性、対策などは示されず、あくまでも「という指摘がある」というレベル。パブリックコメントを実施したうえで「政策の検討を本格化しいてく」という。
書店振興の旗振り役だった齋藤健大臣は交代した。課題はほとんど丸投げとも見える内容だが、果たして経産省は今後、このプロジェクトをどのように推進していくのだろうか。
とはいえ、そもそも経産省が書店の問題に本格的に取り組むのは初めてだろう。こんな短期間に解決策を示せるはずもない。
業界特有の課題解決は業界自身にしかできない(外部の知見は必要だが)。それを支援するのが政府の役割。そして業界で解決策をまとめ、政府などに働きかけるのが業界団体の役割だ。調査能力を持ち、他業界や海外の情報も集めて政策立案するような体制を整えられているか。
パブリックコメントは11月4日まで。これを機会に、それぞれで考えをまとめてみるのも良いだろう。 【星野渉】